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邦楽ジャーナル取扱店訪問記

豪徳寺・亀屋邦楽器

 

【写真左】前列左が芝崎勇二さん、右で弊誌を手にしているのが奥様、後列左が勇生さん
【写真右】左から宮城の大胡弓、おわら節の胡弓、通常の胡弓
亀屋邦楽器:東京都世田谷区豪徳寺2-30-10 Tel.03-3429-8389


  東京世田谷区の豪徳寺、井伊直弼の墓所としても知られ、駅名にもなっている。このお寺のすぐそばに芝崎勇二さん(71)が亀屋邦楽器を開業したのは昭和42年。父上も大森で邦楽器店を営んでおり門前の小僧だった。現社長である子息の勇生(ルビ・いさお)さんと共に元気に仕事をされている。
  勇二さんは昨秋、東京都が極めて優れた技能者を表彰する「東京マイスター(東京都優秀技能者)」に選ばれた。三味線の全工程を分業でなく一貫して手作りできる高い技術と後継者育成への貢献が評価されての表彰だ。自分の店の職人のみならず、各地の若い職人達も1年単位で亀屋さんで修行し再び地元に帰ってゆく。
  創業から40年余、口コミで次第に顧客が増え、舞台人の比率も高い。一方で、ここ5〜6年はネットでの一般客も増えた。「演奏者が望む音色を追求するのが楽器屋の使命だと思っています」とマイスター。
  小唄が社長の必須科目だった昭和30年代、昭和40〜50年代の民謡ブーム、その後の津軽三味線ブーム。「次に来るのは胡弓かも」とおっしゃる勇二さん。阿波おどりや、おわら風の盆が注目され、一般の人で習ってみたいという潜在需要は相当あると感じるが、初心者向けの指導者の数・指導書・教則DVDなどが無いのが実状と語る。写真のように店頭に各種胡弓を取り揃えて、次のムーブメントを期待している。

芝崎さんの崎の字は、正しくは右上が大でなく立で、誌面でもそのように表示しておりますが、ネット表示では崎で代用させて頂いております

「邦楽ジャーナル」2011年2月号(289号)より
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